はじめに:災害時の「つながる」安心をSIMで手に入れる
日本ではいつどこで大規模な災害が発生してもおかしくない状況です。地震、台風、豪雨…もしもの時、家族や大切な人との連絡手段が途絶えてしまったら、どれほど不安になるでしょうか。
災害時には、固定電話やWi-Fi、スマートフォンの回線が一時的に利用できなくなることがあります。そんな時、あなたの「最後の連絡手段」となり得るのが、SIMカードを適切に活用することです。
本記事では、非常時でも「つながる」安心を手に入れるためのSIM活用術を徹底解説します。
目次
なぜ災害時にSIMの活用が重要なのか?
災害時、通信インフラは大きな打撃を受けます。基地局の損壊、電力供給の停止、回線の混雑などにより、普段当たり前に使えている通信が困難になるからです。
- 固定回線(光回線など)の寸断: 地震や津波などで物理的にケーブルが切断されると、復旧に時間がかかります。
- Wi-Fiの停止: 自宅のルーターが停電で機能停止したり、公衆Wi-Fiスポットが利用できなくなったりします。
- キャリア回線の混雑: 災害発生直後は、安否確認などで特定のキャリア回線にアクセスが集中し、つながりにくくなることがあります。
このような状況下でも、複数の通信手段を持っておくこと、特にSIMカードを活用することは、非常に有効な対策となります。
災害時に「安定」した連絡手段を確保するSIMの選び方
災害時に「安定」した連絡手段を確保するためには、どのようなSIMを選べば良いのでしょうか。ここでは、特に注目すべきポイントを解説します。
1. 複数キャリア対応のSIM(MVNO)を検討する
特定のキャリア回線に障害が発生した場合でも、別のキャリア回線に接続できる可能性があれば、通信できる確率が高まります。
メインのスマートフォンとは異なるキャリアのSIMを、予備のスマホやモバイルルーターに入れておくのも有効な手段です。例えば、メインがドコモ回線なら、サブでau回線のSIMを用意するなどです。
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2. 通信障害に強いとされるキャリア回線を考慮する
一般的に、au回線は衛星回線との連携や、災害対策用の移動基地局が充実している傾向があると言われています。お住まいの地域や過去の災害事例を参考に、より災害に強いと評価されるキャリア回線を選ぶことも検討しましょう。
3. 物理SIMとeSIMの併用
スマートフォンの機種が対応していれば、物理SIMとeSIMを併用することで、より柔軟な運用が可能です。
- 異なるキャリアの物理SIMとeSIM: 例えば、メインのSIM(物理SIM)とは別のキャリアのSIM(eSIM)を契約しておけば、片方の回線に障害が発生しても、もう片方で通信できる可能性が高まります。
- SIMの損壊リスク分散: 物理SIMが水濡れや衝撃で破損しても、eSIMは本体に内蔵されているため、SIM自体の損壊リスクを分散できます。
4. データ容量と速度のバランス
災害時の連絡手段としては、メッセージアプリや音声通話がメインになるため、普段使いのような大容量は必須ではないかもしれません。しかし、安否情報や災害情報を得るためにウェブサイトを閲覧する可能性も考慮すると、ある程度のデータ容量は必要です。
- データ容量の目安: 月間数GB程度のプランでも、メッセージのやり取りやWebサイト閲覧には十分です。最低限の通信を確保するためであれば、数百MB程度のプランでも良いでしょう。
- 通信速度: 安定性の方が重要ですが、極端に低速なSIMではストレスになる可能性もあります。中速程度のプランを選ぶと良いでしょう。
災害時におけるSIMの具体的な活用方法
選んだSIMを、いざという時にどう活用するかが重要です。
1. 予備のスマートフォンに挿しておく
普段使いのスマートフォンとは別に、予備のスマートフォンにSIMを挿しておくのが最もシンプルで効果的です。
- 古いスマホを有効活用: 昔使っていた古いスマートフォンでも、SIMフリー(またはSIMロック解除済み)であれば活用できます。
- 充電を常に確保: 災害時には停電が予想されるため、予備のスマホも充電を満タンにしておくか、モバイルバッテリーとセットで保管しましょう。


2. モバイルルーターを活用する
SIMを挿せるモバイルルーターがあれば、複数のデバイス(スマートフォン、タブレット、PCなど)でインターネット接続を共有できます。
- 家族で共有: 家族がそれぞれ通信手段を持っていなくても、モバイルルーターがあれば一台で皆が連絡を取れます。
- 充電方法の多様性: モバイルルーターは、USB充電や車のシガーソケット充電に対応しているものも多く、充電手段を確保しやすい利点があります。

3. タブレットやPCでの利用
もしメインのスマートフォンが使えなくても、SIM対応のタブレットやPCがあれば、そこから連絡を取ることも可能です。
- 大画面で情報収集: 災害情報を大画面で確認できるため、状況把握に役立ちます。
- メッセージアプリ利用: LINEやX(旧Twitter)などのメッセージアプリを利用し、テキストベースで連絡を取り合えます。
【重要】「副回線サービス」の活用でさらに安心感を高める
近年、大手キャリアが提供している「副回線サービス」は、災害時の通信確保において非常に有効な選択肢となります。
副回線サービスとは?
例えば、メイン回線がドコモの場合、auが提供する副回線サービスを契約しておけば、ドコモ回線に大規模な障害が発生した際に、au回線に切り替えて通信を継続できます。
- 低コストで利用可能: 月額429円(税込)で提供されており、普段はほとんど料金がかかりません。
- 異なるキャリアの回線を利用: メイン回線とは全く異なる通信網を利用するため、片方の回線がダウンしても、もう片方で通信できる可能性が高まります。
副回線サービスのメリット
- 通信障害のリスク分散: メイン回線が使えなくなっても、副回線で通信を確保できるため、連絡手段が途絶えるリスクを大幅に軽減できます。
- 安否確認の確実性向上: 家族や友人との安否確認、災害情報の収集など、緊急時に必要な通信をより確実に行えます。
- 普段使いのSIMとは別の安心: 普段使いのSIMとは独立したバックアップ回線として機能するため、精神的な安心感にも繋がります。
副回線サービスの選び方と注意点
- お使いのキャリアが対応しているか確認: 副回線サービスを提供しているキャリアは、ドコモ、au、ソフトバンクです。楽天モバイルや格安SIMでは利用できません。
- 副回線のSIMを確認: ドコモの副回線用SIMはeSIM、auの副回線用SIMは物理SIMとeSIM、ソフトバンクの副回線用SIMはeSIMとなります。
- 対応機種の確認: 副回線サービスを利用するには、デュアルSIM対応機種である必要があります。
- 副回線のキャリアを確認: ドコモの副回線はau、auの副回線はソフトバンク、ソフトバンクの副回線はauとなります。
- 利用できるデータ量と速度: 副回線で利用できるデータ量は500MB、速度は最大300kbpsです。
- 切り替え方法の確認: 緊急時にスムーズに利用できるよう、切り替え方法も確認しておくことが重要です。
副回線サービスは、まさに災害時に「安定」した連絡手段を確保するSIMを実現するための強力なツールです。ぜひ、ご自身の通信環境と照らし合わせて、導入を検討してみてください。


災害時に備えるSIM活用術まとめ
災害はいつ起こるかわかりません。しかし、事前に備えておくことで、いざという時の不安を大きく軽減できます。
- 複数キャリアのSIMを持つ: 災害時の回線混雑や障害に備える。
- 物理SIMとeSIMを併用する: 損壊リスクを分散し、柔軟な運用を可能にする。
- 予備デバイス(スマホ、モバイルルーター)を用意する: SIMとセットで常に充電しておく。
- 副回線サービスの導入を検討する: メイン回線とは別のキャリア回線を確保し、通信途絶のリスクを最小限に抑える。